さらに、内視鏡手術施行例であれば日本産科婦人科内視鏡学会症例登録へ、ロボット手術施行例であればNational cancer database（NCD）へも登録する必要があります。もちろん、各施設で入院していれば入院サマリーに、手術をしていれば手術台帳にも登録していく必要があるでしょう。おそらく、こういった登録業務を事務方にすべて担ってもらえる施設もあるかもしれませんが、現実的にはその大部分を担っているのは産婦人科医師ではないでしょうか。その他、多施設共同研究があれば、そのたびにカルテ調べが発生します。そのたびに実務担当の若い医師の負担が増えていくことになると思います。
自施設の婦人科悪性腫瘍症例の臨床病理学的情報をJESGOに入力さえしておけば、婦人科腫瘍登録や内視鏡学会症例登録に必要なデータを抽出して、一括登録することが可能となります。また、このシステムの登録項目のみで多施設共同研究を企画すれば、研究分担施設から欲しいデータの収集もかなり簡便になることが予想されます。
このように若手医師の業務負担の軽減を図るとともに、より質が高くより小回りが効くデータセットを各施設で同じプラットフォームで作成いただき、それを有効利用して、婦人科医療の発展に寄与したいというのがJESGOの理念です。本システムは3学会で費用負担しておりますから、会員の施設の費用負担は原則ありません。
JESGOの本格運用は2023年度から開始いたしましたが、会員の皆様と作り上げるシステムであり、今後もユーザーが使いやすいシステムを目指し、改良を重ねていく予定です。そのためには皆様のご協力が必要ですので、ご意見等がございましたら、ぜひ本委員会へお寄せいただければと思います。
JESGOは多くのご施設に利用いただくことで、その持っている力を十二分に発揮できます。ぜひ多くのご施設の参加をお願いいたします。